フランスのプロヴァンス地方を旅すると、蝉をモチーフにした生地や小物類を多く見かけます。 のどかな自然の中で暮らす人々にとって蝉は、単なる昆虫ではなく自然の象徴でもあり、また「幸福を呼ぶ(一種の)お守り」的な存在として大切にされています。
目を日本に転じると…京都「清水寺」の本堂の格子戸に、鉄製の蝉がオブジェのように配されています。 私自身は写真でしか見たことがありませんが、非常にスタイリッシュでセンスの良いオブジェ…昔の人の「おしゃれ心」「遊び心」を感じました。
その写真が気になって色々調べたところ、「人の気配を感じると直ぐに鳴き止むこと」から、「泥棒除けのお守り」として装飾されていることが分かりました。
ギャラリー&ショップ 蝉は、武蔵野の面影を今尚残す世田谷区の外れ…自宅の一角を使ったお店です。庭には世田谷区から「保存樹木」として指定された大きな木があります。
夏の最盛期にはたくさんの蝉が競い合うように鳴き、一瞬、東京であることを忘れてしまうほど…。 ギャラリーの名前を考えている時に、ふと目に留まったのがそんな蝉達。
何気ない存在の昆虫ではあるものの、フランスと日本、全く異なる文化でありながらともに「お守り」として存在していること。 またおしゃれな雰囲気すら漂わせる蝉に何だか知らない魅力を覚えました。